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2019/05/31 22:57
当店が扱う器には、陶器と磁器がございます
それぞれの器を末永くお使い頂くために、ご説明申し上げます
【陶器】
◆陶器は吸水性・通気性に富み、ひび状の『貫入』が入っているものもあります
これは陶器特有の風雅な特徴で、永く使うほど味わいと風合いが出てまいります
(お茶人さんなどはそういう変化を「うつわを育てる」という感覚で大事にされています)
◆しかし茶渋・臭い・汁気・油気などが滲みこみやすく、特に白い陶器の貫入に入った色は落ちにくく器の風合いを損ねます(それがお好きな方もいらっしゃいます)
◆新しい陶器をお使いになる前には、しばらくお水(または米のとぎ汁)につけてからご使用されることをお勧めします 器に含ませた水が、汚れの侵入を減らしてくれます
◆煮沸すると良いと言われる方もいらっしゃいますが、お勧めいたしません 京焼・清水焼の器は繊細ですから、急激な温度変化によって、陶器が割れることがあるからです
もしどうしても熱湯処理をしたい場合は、陶器を水につけた状態で火にかけて、けして煮立てず、お湯が冷めてから取り出してください
【磁器】
◆陶器に比べより高温で焼く事ができる磁器は丈夫で、吸水性がありません 永く綺麗にお使い頂けます
◆使い始める前に、表面の汚れをきれいに洗い落とすだけでOKです
◆白や色の薄い磁器は、使用する前にさっと水にくぐらせてからお使い頂きますと、食べ物の汁気や油気、臭いが染み込みにくくなります
【汚れが染み付いてしまったら?】
土の中にまで染み込んでしまった汚れやシミは落とすのが難しいですが、表面についたものでしたら、薄めた台所漂白剤にしばらく付けておくと落とせます 銀は変色するので使用できません
漂白剤のご使用後は、しっかりと濯いでください
茶渋だけなら、塩(特にあら塩)で磨くといいようです ミカン、レモンなど柑橘類の皮に塩をつけると一層効果があるようです
【臭いがついてしまったら?】
水1リットルに対して、重曹大さじ4杯と酢大さじ1杯を溶かした液体に半日~一日ほど浸して頂くと、多少臭いが薄まります 漂白剤の使用も有効ですが、銀は変色するので使用できません
【洗うときの注意は?】
繊細な京焼・清水焼です 食器洗い機・乾燥機のご使用は避けて、手洗いでお願いいたします 特に陶器は繰り返し使ううち、水流により無数の傷がつくようです 上絵ものや金銀線が施されている器は、絵の具がはがれたり、色が悪くなる可能性がございます
手洗いでも、クレンザーやナイロンタワシで強くこすると、上絵が剥げたり表面に傷をつける原因になります 台所用スポンジなどで優しく洗ってください
立体的な細工が施されている器や、カップの取っ手の付け根・急須・ポットの注ぎ口など洗いにくい部分は、割り箸の先に布を巻いて洗剤をつけて洗うときれいに落ちます
【カビについて】
吸水性の高い陶器は、布巾で水気を取った後もすぐには片付けないで、しばらく置いて乾燥させましょう
釉薬のかかってない高台などは、意外にカビが生えやすいのでご注意ください
万一カビが生えた場合は、熱湯で30分ほど煮沸しますときれいに落ちます くれぐれも破損にはお気をつけください
ご縁を頂き皆様の元へ旅立った当店の器が、末永く愛されますように♪